「こころのねいろ」
今さらですが、進と雪さんの日常というか。でもこれ書いとかないと
先に進めないので書く、という感じです。
いつの間にか、「当たり前の光景」になっていた。
自分が非番の際、格納庫にあるコスモゼロの操縦席に潜り込んで、
兄の形見であるハーモニカを吹くときに、近くに
「彼女」がいる、
ということが。
そもそも、決してだたっぴろいとは言えない艦内の、格納庫。
人が沢山いる第一艦橋から結構離れていて、離着時に生じる
爆音対策として、かなりの防音対策がされているところ。
プライベートで音を出すのなら、まずここが一番無難ではないかと
思ったのが始まり。
それからそう時間が経たない間に、「彼女」にこの、
「秘密の場所」が嗅ぎつけられてしまった。そういえば小さいころ、
まだ地球が今のような悲惨な状況では無かった時代。大人の目に
付かない、ちょっとしたところを「秘密基地」に見立てて、友達と
遊んでたっけ。
どちらというと、今はその「秘密基地」めいた感じがすごくする。
もちろん、パートナーは男子の友人ではなく、「彼女」なのが
違うけど。
で、「彼女」が何をするのかと言えば。
自分がハーモニカを吹いてるときは、静かに、膝を抱えて丸まって
聴いてくれている。体の線が目立つことで定評のある、女子艦内服の
「彼女」のこの姿は、何気に
猫の姿
を彷彿とさせた。手足のすんなり伸びた、毛並みの良い、賢くて
綺麗なシャムネコ。時々静かに伸び、をするのもますますらしい、
というか。
でもただ、それだけ。自分の勝手気ままな「演奏」をそんな風に聴いて
いるだけ。一体何が面白いんだろうか?
尋ねてみたら、意外な返事が返ってきた。
「古代君が考えてることが、すごくよく分かるから。」
彼女、すなわち森船務長答える。
「最初はただ聞いてただけなんだけど、何ていうか。積もり積もって
いきなり目の前が開けたというか。」
その時のハーモニカの音色で、「俺」の心情が「見える」のだそう。
「初めは音の高さとか長さとかだったけど。そのほかにも
説明しにくいんだけど、いろいろあって、
『今の古代君』が見える、かな。本当は、二人きりで話したいこと
とがあったんだけど、今はこっちかな。」
どうしよう。彼女には、嘘がつけないっていうことになる?
まあいいか。自分もその代わりに、「彼女」の可愛い姿を独り占め
してるわけだから。
(終わり)
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