映画「妖怪人間ベム」感想。
今頃になりました。(おい)なので、ネタバレも
いいかと思いつつも。
「妖怪人間、誰が為に戦う」
明らかに有名なフレーズですが、何でかこれが
浮かびました。「善」と「悪」、矛盾するこれらを
併せ持って初めて「人間」になれる、という考え。
「名前のない男」=「彼ら」の生みの親である「博士」の
身体を乗っ取った奴。
「ベム、ベラ、ベロ」=「博士が作ったもの」から「奴」が
いなくなった「もの」から生まれたもの。
明らかに「キカイダー」「キカイダー01」と「ハカイダー」
の関係でも有ります。実際、「妖怪人間」と称しておりますが、
「人造人間」と言っても良い存在ですし、彼らは。
「妖怪人間」であれば、そのスーパーな力で「人助け」が
出来るけれども、「人間」になってしまえば、出来なくなる。
でもいつかは「人間になりたい」。今回でも、結局彼らは
人間にならない道を選びました。観てる側も、何時か彼らの
願いが叶えられればいいな、と思いつつも。
実際、よく出来た作劇だ、と思いました。そして、キャスティングも
何というか、色々と絶妙。橋之助氏がこういう「ラスボス」を
演じた、と言うこととか、観月さんが、いつの間にやら
「小学生の女の子の母親」を演じられる年頃になられていたとか、
やはりこのクリーチャー造型が「ハマル」だけの存在感が
有るのがすごい、とか、いろいろあるのですが。
やはりこの3人での「ベム・ベラ・ベロ」だったのが嬉しい。
で、ラスボス考。
確かに、橋之助氏演じるところの彼は、必ずしも絶対悪とは
いえないと思いますが、少なくとも彼が「始末」すべき相手は
部下の夫妻「だけ」であり、彼らのまだ小学生である娘は巻き込むべきでは
なかったかと。
少なくとも彼女が「事故」により、母親を失った以上に、
どう見ても一生あの状態以上には回復しないであろう障碍を
理不尽にも背負わされる筋合いはないと思われるので。
(否、唯単にかつて自分の身内が、靭帯損傷したときに
人工靭帯入れて、その代わりに膝を曲げられなくなって、
彼女と同じ装具を装着せざるを得なかったので)
それだけでも、橋之助氏演じる「加賀美」はもっと
制裁をうけるべきではなかったかな、と。
とはいえ、この作品自体、そういう「カタルシス」を追求する
モノではないことを考えると、やはりああいうラストに帰着
するのかな、とも思いつつも。
テレビシリーズ観ていた人には、まあ納得する内容では
ないかと思われます。ダークヒーローには、やはり満月が
似合うな、と改めて。
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