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「宙に輝け、満開の花」#29.

年も明けて小正月も過ぎたこの頃。仕切り直して始めます。
とはいえ、本来ならばこのエピは年末に上げるべきだったと
思うのですが;。どうしてもこのあたりに伏線にしたいな、と
思いつつ。

「瑠璃色の天球儀」

「寒くなって来ましたね。そういえば、世間ではもうじき
クリスマスですし。」
「もうそんな時分か。…早いな。」
新人の養成と、一般世間への広報と理解の浸透。
それにもまして、今だ根深く存在する
「惑星移民反対派勢力」への対応。…本来ならば
「根絶」なのだろうが、こればかりは不可能である以上、
出来る限り不穏分子を抑える方向しかとれないとして。

各方面に出来うる限り動いていたので、時節がいつの間にか
その年も押し詰まってきていたのに気づいたのは、かなり
遅かった、という。

「小さい時はパーティーとかプレゼントとか、物凄く
楽しみだったんですけどね。今はこうやって訓練やら
準備やらでそれどころじゃなくなりましたけど。」
「でも、それなりには何かしたいですね。また年末で
故郷に帰ったりする前に。」

後輩組との何気ないやり取り。だがそれも、ある一人の
新人女子のさりげない一言で平穏が破られる。

「そういえば以前、霧野先輩の部屋に遊びに行かして
貰った時。凄く綺麗な球が飾ってあって。藍色、というか
瑠璃色っていうか。気になって何ですか?って尋ねたら
昔クリスマスプレゼントに貰った『天球儀』だ、って
おっしゃってらしたんですよ。…当然、一文字先輩は
ご存知だと思いますけども。」

青天の霹靂。まさかこんなところで、全く「火のないところ」
からちりちりと煙が上がろうとは。思いがけず、声を上げる。

「あいつ、まだ持ってたんだ…。あのときの、あれを。」

回想。時はさかのぼって、まだタクマたちが幼い頃。
まだ父・断鉄が健在だったから、おそらくは5~6歳だった
だろうか。
クリスマスパーティ。父と、親友であった大江戸博士が
子ども達のために、と開催してくれたもの。
そのときに、彼らは貰ったプレゼントを早速見せ合いっこ
していたのだが。

「…何、それ?」
目の前に居る、幼なじみの少女が大事そうに抱えていたもの。
クリスマスという事で、レースとフリルに彩られたピンクの
ドレスにおめかしした、自分と同い年の女の子がおねだりした
には、少々違和感があるというか。

「天球儀、って言うの。綺麗でしょ?お空のお星様が描いて
あって、光つけたら、プラネタリウムになるんだって。」
いやそれ、判ってる。星達がちりばめられた、綺麗な瑠璃色の
球体。でも問題はそこじゃなくて。

「女の子だったら、クマのぬいぐるみとか、もっと可愛い
ものだと思ってたけど。」
「あらしつれいね。おんなのこだからって、決め付けないで
ちょうだい。」逆にやり込められる。そういえば「あいつ」は
昔から、
「オンナノコだから」と言われるのを嫌がっていたっけ。

「『お兄ちゃん』からなの。」とても嬉しそうに、誇らしげな
表情で。あなたとちがってそんな失礼なこと言わないんだから、
とでも言いたげに。

「そんなに星空見るのが好きだったら、夜空の星のいろんなことが
判るものを見つけてあげるから、って言ってくれてたら、これ
だったの。」

まるで宇宙を丸ごと独り占めするような感覚。

「…あたし、何時か『ここ』に行きたいな。」
ぼそり。「あいつ」がつぶやく。
「自分で見てみたいの。こんなに綺麗なところ。」
「俺だって、父さんみたいに、絶対に行くんだから!」
ムキになって言い返す。やっぱり子どもだ、自分。

「じゃあ、大人になったら、俺が連れて行ってやるよ。」
間髪いれずに、「あいつ」が返す。
「ううん、自分で行くから。自分の目で、みたいから。」
思いがけない返事に、何とか男児の面目を保とうと、どうやら
言葉を捜したらしく。
「じゃあ、競争だ。俺の方が先に宇宙に行くからな。」
「あたしも、負けないから!」

今でもあの「瑠璃色の天球儀」を大事にしている、と言うことは。
「あのときの思い」も大事にしている、と言うことであって。
子どもだった当時では判りえなかった、
「かの天球儀」の意味するものを考えると。

「…先輩?一文字先輩?どうされました?天球儀が
何か?」
後輩女子。叫んだ後気味悪いくらい沈黙してしまったタクマを
心配して、声をかけてくる。
「ごめん、何でもないんだ。…折角だから、クリスマス、なんか
しよう。良い機会だし、な。」
にこやかに、その場を取り繕う。が、心の隅に、冷たく凍てついた
「瑠璃の珠」のようなものが生まれるのを、無下には出来ない
タクマだった。

     <了>
何とか締めました。パソコンの入れ替えしてますが、やはり毎度
大変です。(涙)

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