« スマイルプリキュア!#27. | トップページ | 東映ロボットガールズ研究所・ガールズレポート#166. »

「宙に輝け、満開の花」#18.

「笑顔の行方」

八月のうちに書いておこう、と思いました。
所謂「隙間ネタ」であります。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「この間のお手当て、というか。それなりに
頑張ってみるもんだな。…観て見るか?かなりいい具合に
撮れてる。さすがプロは違う、っていうか。」

秀人からタクマへ。つかの間の休憩時間の時のこと。

先日の花火の時。裏方では密かに無差別テロを未然に
防いでいた頃、表向きは何事もなく、一部では写真撮影
なども行われたりしていた。

そのときの写真。高名なファッション写真家・来海氏の
手によるもので、こちらの関係者が被写体になっているものが、
花咲の元に送られてきた。データではなく、「写真」というのは、
あくまでもプライバシーや著作権保護の意味合いが
あるそうなのだが。

その中の、それなりの枚数を占めて居る、霧野嬢が被写体
として写っている写真のうち、
「自分がいいと思ったもの」数枚を、「本人には内緒にしてくれ」
と「先輩特権」を振りかざして(おい)花咲から譲り受けてきた
のだそうだが。

実のところ。仮にも色々と「分かっている」くせに「そういうこと」
をされるのは、余り気持のいいものではなかったが、約束は
約束、である。
「全く、お前の抜け目のなさには恐れ入るよ。」と
言いつつも、幼なじみである同僚の、いつもとは違う
「艶姿」を拝ませてもらうつもりだったのだが。

ある一枚から、目が離せなくなった。

何てことはない、浴衣姿の「彼女」が笑っている「だけ」
なのだが。

知らない。覚えがない。明らかに自分が良く知っている
「彼女」なのに。そこには自分の知らない「笑顔」が
ある。

相方の、いつもとは違う様子を感じた秀人。さすがに
抜け駆けは悪かったかな、と思ったのか。
「それ、来海さん最高の出来だって、花咲言ってたから。
俺が持ってるより、お前のところにあるほうが、写真も
喜ぶだろうから。」
写真、というより被写体の彼女が、であろう。預けておく、
と言うと、
「じゃ俺、先に行ってるから。」とそそくさと場を離れた。

後にはタクマ独り。
暫く眺めたのち、自分でも気づかない間に、ぼそりと
つぶやいていた。

「…嫌だ。」
自分がもらした言葉にはっとして。
「何が」「誰が」嫌なのか。思い当たらないうちに
秀人の後を追うように、その場を離れた。

写真だけは、大切にして。

    <了>

珍しいエピだなとは思います。今後の伏線になるといいなあ。

にほんブログ村 テレビブログへ なかのひと 好きな男性と出会う 出会い漫画編

« スマイルプリキュア!#27. | トップページ | 東映ロボットガールズ研究所・ガールズレポート#166. »

二次創作」カテゴリの記事

コメント

こんにちは(^0^)/

花火大会の写真撮影がこういう展開になるなんて…ちょっとなんかせつないなー。
(何てことはない浴衣姿の彼女が笑っているだけ)→何の笑顔だったのか?本当の笑顔だったのか?ある意味写真ってたいてい悲しい顔では撮らなくて、ほとんど[笑って]撮る環境だから、でもいくら若作りしても写真に年齢が出るように、(笑顔)→に隠された何かが写しだされてたのですね…

こういうところに感ずるのは、やっぱり感受性の高いタクマなんだなー。

(知らない、覚えがない自分の知らない笑顔)→んー女性の腹黒い嫌な部分の笑顔なんだろーか?それとも悲しさを隠した笑顔なんだろーか?屈託のない笑顔では[ない]ことは確かだ;タクマの(嫌)の行方を知りたい〜

リサって、あの時この時いろいろな性質見せてくれたから、わかんなくなってきたぞぉ。

{隙間ネタ}以外と大事。

こんにちわ。コメ有難うございます。

>屈託のない笑顔では[ない]ことは確かだ;
 ネタバレしますと、このときの霧野さんは文字通りの「無邪気な、屈託のない笑顔」であります。(だから、プロのカメラマンが『最高の出来』と評しているのであり)なので、「何かある」とすればタクマの側、ということに。…って言うのが風呂敷で。

>やっぱり感受性の高いタクマなんだな
 今までは、相手に対してだったのが、今回は自分自身と向き合わないといけない、という感じでしょうか。

>リサって、あの時この時いろいろな性質見せてくれたから
 実際、「いろんな顔」持ってるのが人間、ですし。優等生ばっかりじゃないと思うので。
(というか、この方はお行儀良すぎるのが欠点ではないか、と思っておりますゆえに。

ではまた。

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「宙に輝け、満開の花」#18.:

« スマイルプリキュア!#27. | トップページ | 東映ロボットガールズ研究所・ガールズレポート#166. »