「宙に輝け、満開の花」#6.
未来へ向かうために、過去に戻る。その2。
随分と久しぶりに、お母さんのお墓へ参る。
(何故か花屋さんには、チューリップだけが無かったけど。)
もしかしたら、これが最後になるかもと思いつつ。
回想。
入隊するのに、家を出た時。何か落ち着かなくて、再度
戻ってみたら。
「あの人」がいた。
「え?何で戻ってきたわけ?」
こちらの方が聞きたい位だった。母が急死して以来、
父一人置いて「プロメテ計画」に参加することを随分
迷っていたのを、
「自分のことは気にしないで、思うとおりに生きなさい。」
と、父は自分の背中を押してくれていた。
そしてその言葉を「額面どおりに」受け止めて、深い愛情に
感謝しつつ、住み慣れた家を後にしたら。
自分と入れ替わるように、に、「この人」はやってきていた。
あたかも、随分昔から、ここの住人だったかのごとく。
女の人。母とは違い、随分と「華やかな」人。恐らくは
「そういうところ」の人、なのだろう。父の社会的地位から
すれば、こういう人の一人や二人、居て当然なのだが。
しかも、凄く小さな女子を連れている。2~3歳くらいの。
「この人」の子どもなのだろう。父との間の子だろうか?
「心配しないで。この子は私の連れ子だから」
見透かされたように、説明じみた言葉を聴く。
「ちょっと待っててね、ママ、このお姉ちゃんと
少しだけ、お話してくるから。…貴方、少しよろしい
かしら?」
小さな娘には母親として、そして「父」には「妻」として、
断りを入れながら。
「では、こちらに来てくださるかしら、お嬢様?出来れば
こんな形でお逢いしたくはありませんでしたけれども。」
言葉は優しく、にこやかに。でも、決してその目は笑っておらず。
今から思うと、男女を含む、世間のこと全てに疎かった、まだ
ほんの「子ども」だった自分は、ただ「その人」の言葉に
従うしかなかった。
<了>
少し短いですが、序盤に入ります。ほんとに、ここからは
自分の裁量で走るしかないと思うと;。
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コメント
この記事へのコメントは終了しました。
こんにちは(^0^)/
GWいかがお過しでしょうか?
この回、拝見していくうち、彼女以外の男子チームの両親を思いださずにいられませんでした。
(自分のことは気にしないで‐)と、言いつつ(え、なんで戻ってきたわけ?)→彼女の父親って、以外とあれー?うまく表現できないけどツメタイのかな?彼女は母親似?なのでしょう。
(言葉は優しくにこやかー決してその目は笑っておらず)→嫌な継母決定だ!
実の母親がご存命なうちからお知り合いだったような…;気がいたします。
1番彼女が両親との繋がりが薄いようで誰よりかわいそうかも…もちろん実母が元気な時は幸せだった時もあったんだろうけど:
父親がちゃんといても、家族の中で自分の居場所が無いなら、一人のほうがどれだけましかも;
まだまだ本筋がどうなるかわかりませんが、少なくとも男子チームの両親との温度差を感じました。
こういう境遇をしょって出発したのかと思うと、また違う見方ができそうで♪
投稿: GO!GO! | 2012年5月 6日 (日) 12時15分
こんにちわ。コメ有難うございます。
>GWいかがお過しでしょうか?
もう終わってしまいますがw、結局家族サービスに終わったような。自分の用事はどうやら半分も出来てないみたいです。(涙)なので、これだけでも先に進めようと思った次第。
>彼女以外の男子チームの両親を思いださずにいられませんでした。
そういえば、男子組はみなさん、両親に可愛がられてるのがよく分かりましたから。彼女だけが「親がらみのエピ」無いんですね。不思議なことに。なので、こんなこともありかな、と思いつつ。
>父親がちゃんといても
このあたりは、恐れ多いですが「ガラカメ」のマヤさんと、お母さんの関係を参考にさせてもらってます。つまり、
「精神的父親」(この場合は大江戸さん)が居る場合、「生物的父親」(実父さんですね)は何らかの形で退場してもらう、というもの。月影先生が登場した時点で、マヤ母さんは事実上退場されましたし。霧野さんもそんな感じで。
>まだまだ本筋がどうなるかわかりませんが
アウトラインはありますが、あくまでライヴなので。(おい)
>また違う見方ができそうで♪
そういっていただけて嬉しいです。ではまた。
投稿: 由維 | 2012年5月 6日 (日) 17時44分