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「好き」という言葉は、人を殺めるためにあるのではなくて。

願わくば、そっとしておいて欲しかった。
そうすれば、誰も傷つかずに済んだのに。
少なくとも、そうなるはずだった。

「最大の損傷」を被ってしまった、あの時。
「彼女」は「そこ」に踏み込んで来てしまった。

「あの時、貴方と『あの子』の間に、何があったの?」

意味深な言葉で核心に迫る。恐らくは無意識のうちに。

「何も…無かった。というより、出来なかった。死なせたく
無かったのに。」
嘘はついてない。本当に、何をしても最悪のゴールにしか
着かなかったのだから。
それでも、どうかして回避したかった。手をさし伸ばして。
この手を掴んでほしかったのに。

手は、繋がれたはず、だった。
でも、遅すぎた。『あの子』は死を選ぶしかなかった。
その代わりに。
ほんのわずかではあるけど、「本当の自分」を取り戻せた
らしかった。それが、唯一の救い。

ただ。
「彼女」にはそれが何を意味するものなのかを、一目見ただけで
読み取ってしまったらしい。
何故、そこに至ったのか。物事には必ず「きっかけ」があるのだから。

真実を知ることが必ずしも幸せではなくて。
知らないでいることで、無駄に血を流さずに済むのなら。
知らなくていい。

「隠しても無駄だから。分かるの。私も同じだから。」
だからどうして自分から傷付こうとするんだ貴女は。
「だから教えて。何をしたの!」

どうしてそんなことが出来たのか、自分でも判らなかった。
あれが、牡の本能だとしたら、きっとそうだったのだろう。

唇を重ねて、こじ開けて、舌を絡ませて。
真実を知るために紡がれる言葉を塞ぐ。
男と女の間では、よく使われる「秘密の隠蔽」。
そして、最後の仕上げ。これ以上、禁忌を侵さないために。

「好き…。大好きだよ…。」
耳元で優しく囁いて、抱き締める。これで終わるはずだったのに。

「止めて!こんなの嫌!」
腕、振りほどかれる。そして。
左の頬に受ける打撃、程なく走る熱い痛み。

「『あの子』の顔を見れば分かるわ。どんな思いで
逝ったのか。だから、正直に本当のことを教えてほしかったの。
なのに、どうしてきちんと向かい合わないで『無かったこと』に
しようとするの?どうして受け止められないの?
『私』で誤魔化さないで!!」

泣きながら「彼女」が走り去っていく。後に残されたのは、
自分と、後悔と、宙ぶらりんになった「告白」と。

『あの子』に何をしても「死」から逃がせなかったように、
結局は「彼女」を深く傷つけてしまったことを思えば、
自分の受けた痛みなど、取るに足らないのだから。

なのに。
痛くて。
痛くて。
自分にはそんな権利も無いのに、涙がこみ上げてくる。
…「好き」という気持に、偽りは無かったから。

   <了>

最後は「彼」のターンです。どんな形であれ、責任は取るべき
だと思いましたので。もしかしたら凄いことになってるんだろうか、
3人の間;。

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二次創作」カテゴリの記事

コメント

こんにちは(^0^)/

(あの時、貴方とあの子の間に何があったの?意味深な言葉で核心に迫る)いやぁ…まさか、例の出来事について、彼に真正面にぶつかって聞くとは思いませんでしたよぉぉぉぉ‐‐‐。エース2人が墓場まで持って行くとばかり思ってましたから;

(唇を重ねてー)1日このシーンが脳みそぐるぐるぐるまわってて:しかし、いつかどこかで期待していたシーンかも∽だって世間はたいていアレばかりを描きますから…男女間の修羅場はこれが自分的には初めてで、ぜひ描いて頂きたかったところです。うっわーい♪

(聞いてはいけない)のはずだったのに聞いちゃって←相当勇気いったでしょう:でも(何も…無かった、出来なかった)→ちょっとねーちょっとねー〔曖昧さが得意な彼がよく出てるけど〕こんな答えでは啖呵きって(私でごまかさないで)殴りたくなるなる!

このまま走って誰かの胸に飛び込んだのだろーか?それともまた一人で展望台にいるのかなー…

以前なら飲み込んで彼女の中で自分で処理してたと思うのですが、この状況と行動からして時間的にトニーとああいう事があった後からなのでしょーかねー;

まだまだまだまだ(責任)の話しは続きそうですね。
そうなると彼の中途半端がいいかも、でしゅね。

こんにちわ。コメ有難うございます。
>エース2人が墓場まで持って行くとばかり思ってましたから;
実は自分もそう思ってましたが、何故だかこんなことに;。

>世間はたいていアレばかりを描きますから…
 そもそも「公式最大大手」という言葉があるくらいなのに(おい)、何故二次でまでそっちに走らないといけないかとwww。自分的には「二次」だからこそノーマル突き詰めたいというか。

>このまま走って〈略)
 誰かに追いかけてきて欲しいのなら展望台で、一人きりになりたいのなら自室のような気が。誰かの胸って。これが秀人だったら、男子同士の間でガチ殴り合いになるのが目に見えてますし;。妥当なところでは大江戸博士なのでしょうが、彼女は人に泣いてるところを見られるのを極端に避けますしね。でも、どこに逃げ込むかで(おい)今後の展開が変わるようなw。

>時間的にトニーとああいう事があった後からなのでしょーかねー;
 かも。彼女自身では、「彼」一筋と思い込んでますが、実はけっこう出会ってるw。なので、それは大いにありかと。

>(責任)の話しは続きそうですね。
 そこなんですよw。ネタフリした以上は、きちんと締めないと。難問ではありますが;。

ではまた。

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