« 「英語版総集編 惑星ロボ・ダンガードA・2」感想 | トップページ | 咎狗の血#12.(最終回) »

ダンガードA・二次創作。

最初に言っておくとw。
「ノエル」とは仏語で「クリスマス」の意であることを
知ったのは、この作品がきっかけ;。いや、同世代では
きっとそんな人が多いはずw。

と言うことで。
イブの夜なので、書きたくなった「楽屋落ち小ネタ」です。

ーーー始ーーーーーーーーーーー

「いつかのメリークリスマス」

「秀人君?」
いきなり背後から呼び止められた。華やかな女性の声。
リサだ。
「今、時間ある?手が空いてたら、手伝って欲しいの
だけど。」
時間がなくても手伝うに決まっているだろう。
「クリスマスツリーの飾り付け、なんだけど?
どうしても、男の人の手がいるところがあるの。」
「タクマはどうした?」
一瞬、彼女が視線を流したように見えたのは、気のせいでは
ないはず。
「…今、ツリーになる樹を探しに行ってもらってるの!
昨日、私をほったらかして一人、どこかほっつき歩いていった
罰として、ね。特別大きいの、頼んだから。」
何かいたずらを思いついたように、楽しそうに笑う彼女を見て、
思わず自分も、「一つ乗る」ことに即効決めたのは、
言うまでもなく。

ハーケン特別隊の猛撃を受けて、不時着せざるを得なくなった
この惑星。どうやら地球上とかなり近い大気成分らしく、似たような
植生の植物も見られるらしい。損傷箇所の修理やら何やらで
しばらく留まる事になったのだが。
そういえば、地球の暦ではそろそろクリスマスが近いらしい。
クルーの慰労もかねて、それなりに「らしいこと」を
するのだそう。

「随分いろんな飾り付けをするもんだな。」
「そうね、言われてみれば結構あるかも。」
樹の上に飾る星飾りをはじめ、金銀に輝くモールとか
珠とか、雪を模した綿花とか、その他プレゼントの箱を
模したものだとか。
「これに、ジンジャーマンクッキーを飾ったりすることも
あるのよ?」
何でも、リサの家では毎年そんな感じでクリスマスを祝っていた
らしい。やはり女の子のいる家庭は違うもんだな、と感心する。

自分のところでは、そんなしゃれたイベントをしていた訳でもなく。
強いて言えば、クリスマスケーキくらいはあったような、プレゼントも
少しはあった位、それくらいの記憶しかない。

「今はツリー待ちだけど、ツリーが来たら、好きなように
飾ってね。上のほうとか、やっぱり自分では届かないから、
そのあたりをしてくれたら嬉しいわ。」
はしゃぐように話す彼女を見てると、こちらも嬉しくなる。

そういえば、こうして二人きりで何気ない会話を交わすことが、
どれくらいあっただろうか。
もしかしたら、凄く幸せなことかもしれず。

「いつだったかな、まだ私もタクマも小さかったころの
事、だけど。」
楽しげに話す昔話の中に登場する、今ここに居ない
『あいつ』の名前。それだけでも、この二人の間に在る
「もの」を感じざるを得なく。

大江戸博士と断鉄氏が古くからの友人であり、また、
お互いの身内の子ども達(リサは博士の姪だそうだ)が
同じ年回りであることから、そういう付き合いが多かった
らしい。

まだ今より少しは若かったであろう、博士や断鉄氏が
サンタに扮した話など、かなり珍しいものもあったのだが。

何よりも。

「あのときのタクマはね、」と無意識ではあるが、
「今ここに居ない奴」の話をするときに、自分が
どんな表情をしているのか。

彼女は、決して知ることはないだろう、と思うと。
そしてその度に、現実を思い知らされると言うことを。
それでも。
自分にとっては何物にも代えがたい「大切なもの」
であることを。

「…何だかな。」思わず自嘲していると。

「どうしたの?」心配げな声に、現実に戻される。
「いや、何でもない。」
自分が何かして、どうなるものでもないのならば。

「じゃ、『あいつ』が引くくらいに頑張りますか。」
「ふふ。有難う。」
ささやかな「意趣返し」の共犯者に、なってやろうじゃないか。

ーーーー終ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

タイトルは、某有名な曲より;まっすぐなものにしたかった
と言うのもありますが。

時系列的には、タクマがノエル姐さんと二回目に出会って
色々とやってる(おい)間の話、と言うことです。文章に
出来て、やっとすっきりしたかな、と言う感じです。

にほんブログ村 テレビブログへ なかのひと

« 「英語版総集編 惑星ロボ・ダンガードA・2」感想 | トップページ | 咎狗の血#12.(最終回) »

二次創作」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ダンガードA・二次創作。:

« 「英語版総集編 惑星ロボ・ダンガードA・2」感想 | トップページ | 咎狗の血#12.(最終回) »