「あかねさす 空の彼方の まほろばに…」
「ダンガードA」の二次創作です。書いてみたくなったから、としか言いようが
ないのですが、自分なりの解釈してみたくなったから、というのも
立派な理由付け、と納得してみる。(おい)
そういえば、かの「プリ555」でも
「物語は、面白ければ手を入れていい」ということを薄荷姉さんが
おっしゃられていたようなw。
ということで。
「出遭いは…スローモーション。」(その1)
「一度、基地を観に来て見るか?」
仮面を被った、一見かなり怪しそうではあるがなおかつ、
相手に有無を言わせない『押し』のある、まるで鋭利な
刃物を思わせるような人物に、初対面でいきなりこんなことを
言われたからには来ざるを得ないだろう?
彼は、自分の相方~というよりは自分が引き立て役だったのだが~
であった「ジェット・ジョー」をスカウトに来た。なんでも、先日の
新宿での航空ショーを見たからだ、というのだが。
「あの姿で」彼が新宿の街中に居た、ということ自体、かなり
想像を絶するのだが、とりあえず、ジョーを引き抜く、という
「見る目の確かさ」にはさすが、としか。
で、ジョーのフォローにひたすら回っていた自分のことを、何故だか
「彼」は気になったらしい。
で、今回の「御呼び」がかかった、ということだ。
まずこれはチャンスだろう?例え「罠」であったとしても。
あの、
「サテライザー」のパイロットの一人になれるというのなら。
第一次「プロメテ移住計画」計画が「事故」により失敗して10年。
だがついに新しい「機体」が出来たという。
飛行機乗りならば、誰もが憧れてやまない機体。それが
「サテライザー」である。
第一次計画のメインだった「プロメテ一号」シリーズの開発に
大いに関わっていたらしい、死んだ親父。なぜか
「あんなものは邪道だ。」と、自分がテレビや何かで見るたびに
騒いでいたのを尻目につぶやいていたけれど。
それでも、「地球の未来を切り開くフロンティア」そのものである
「サテライザー」に惹かれるな、というほうが、無理だろう。
何せ、自分はあんたの息子だからな。
とりあえずは仕事のスケジュールをやりくりして、基地のある
「この島」にやってきた。どんなところか、見晴らしの良いところから
眺めてやろうかな、と思っていた矢先のこと。
「遅いから、迎えに来たんだけど。…君が『大星秀人』かい?」
不意に声をかけられて、驚く。気配が感じられなかった。背中を
取られたも同じ。一体こいつは何者かと。
「俺は、一文字タクマ。サテライザーのパイロットだ。」
「奴」はなおも続けて語る。自分を蹴落とすかもしれない相手を
「迎えに来た」だと。どれだけお人よしなんだこいつは。
というか、ジャスダム基地はそんなに「ぬるい」ところなのかと。
「ああ、そうだけど?」とりあえずは返事をする。いきなり人の
「背後」を取った割には、そういった風情はなく。
むしろ、無防備。おそらくは自分と同い年くらいであろう、そいつからは
妙に世間ずれしていないというか、あるいは「幼い」印象を受けた。
そういえば、学生時代に、クラスにこんなのが一人はいたっけ。
華があって、いつも回りに取り巻きが居るような。自分はそういう
あたりとは明らかに「世界が違った」けれど。
「ここから、ジャスダム基地が一番良く見える。」
「やっぱりそうか?そう思ってたけど。」
こちらの思惑なぞどこ吹く風、とばかりに明るく話しかけてくる
「奴」。そういえば、「奴」はあの
一文字断鉄の息子
ではないのかと。
裏切り者の子ども。そう世間から蔑まれたので、世間から身を隠した
と聞いていた、当のご本人。
もしかして、伝え聞いてたのと随分違う?
その「過去」が本当ならば、何故「奴」はこんなにも初対面の自分に
対して
「明るく」「優しく」接することが出来るのだろうか?
自分なら…まず無理。
「案内するよ。こっちだ。」
妙に人なつっこい笑顔。大事な友達にやっと会えた、そんな感じさえさせる「奴」。
どこにあるんだろう?、この「明るさの根拠」は。
「サテライザー」がどうかというよりも、それに「載っている」ことが
まず信じられない「奴」の方へと、自分はいつしか気を取られていることに気づかなかった。
(その2へ続く)
まずは、秀人のネタです。いかに彼が「相棒」となっていくかを
追いかけようかな、と思ってますが、さて。
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