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松本零士・著 復刻版「惑星ロボ・ダンガードA」感想。

惑星ロボダンガードA(エース) (秋田文庫) 惑星ロボダンガードA(エース) (秋田文庫)

著者:松本 零士
販売元:秋田書店
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ミクシにコミュができていたので、思わず読みたくなりました。

で、古書で入手しました。アマゾンは仕事が速いw。

そもそも、復刻したのが平成9年。今から12年も前の話。
で、オリジナルはといえば。

昭和52年(1977)3月から翌年3月までCX系で放送され、
秋田書店発行の「冒険王」に同期間連載されたもの。
リア時、結構立ち読み?していましたがw、
御大自らの執筆とあってものすごく楽しみにしていたのも
確かで。

でも、当時はアニメ版といろいろと違い、ラストまで
大きく変わっていたコミカライズ版に不満もありました。

が、しかし。

それなりの年を経て、かなりいい大人になってから詠んでみると。

ものすごく面白い。
けど、この面白さは、大人になってはじめて分かる代物であり、
一応ローティーン男子向けの雑誌であった「冒険王」に掲載
されていたのは、結構残念ではありました。

そうか、だから復刻されたのかw。
(勝手に納得)

基本設定はほぼ同じで、ラストはとても有名な?
「お花畑に見開きでたたずむダンガードA(最初にして
最後のお披露目)」
なのですが。

そこにいたるストーリーが目からうろこ。

もし、今川監督が、この作品をリメイクすることがあるとしたら、
おそらくはこのベクトルで徹底的に突き詰めるだろう、といった具合。

アニメではスルー気味だった設定を結構拾ってくださってます。
たとえば、霧野姉さんは大江戸博士の姪だとか
(これは結構重要なのに、アニメではほとんど触れられてなかった)
「惑星プロメテ」の構造とか
(太陽から遠く離れているにもかかわらず、なぜ地球と同じような
惑星であるのか、とかです。自前で「太陽」を衛星にしていたとは)

こんな設定で、こんな人物配置だったら、おのずとこんな流れに
なっていくなあ。という説得力がものすごくて。

真マジンガーでは、「主役」はあしゅら男爵と女将、というのは
ほぼ暗黙の了解になりつつありますが、(おい)

こちらでは、「超天才科学者」ドップラーと大江戸博士のしのぎあいが
メイン。では一文字親子は?ということになりますが、こちらはサイド
ストーリーっぽくて。
(アニメ版の主人公であるタクマは、マジで脇役です;あっちの甲児くん
よりも日の目を見ない;;;)

そもそも、キャプテン・ダン=断鉄さんが登場するのは結構あとだったり
しますから。で、この方は「記憶がない」設定。実は、顔面だけでなく、
「全身くまなく」特殊合金(Zレベル?)で覆われているので、アニメ版
以上に「サイボーグ」感が強い。

で、こんなこと考え出すラスボス・ドップラー総統は、もっとエキセントリック
「二重人格」と表記されてますが、今ではもっと別の表記で明記される
テンプレみたいなお方。当然のごとく、凄まじいレイシストでもあり。

とにかく、あちらの「あしゅら男爵」並みに、この独裁者の「人となり」を
熱く語っていたりいたします。

「超天才科学者・ドップラーはいかに凋落していったのか?」
というサブタイがあってもいいくらい。
アニメ版では、さすがにドップラー本人を描くというのはターゲット的に
難しかったので、「クローン」ともいえる存在の「トニー・ハーケン」の
栄光と挫折を描くことにしたのかと。

そもそも、地球とそっくりなのに、知的生命体だけがいない、という
都合のいい話はないのですが、アニメではあくまで
「プロメテ=希望のシンボル」という扱い。しかし、こちらでは
「プロメテの影」を描くことに重点を置き、その結果。

帰結するがままに物語は収束する。

しかし、それはこの世界の住人に大きく自戒を求める内容でも
あるのですが、しかるべき場所に着地するので、読後感は
すっきりします。

(以前、アニメ版の総括にて、
「深い業を背負った人たちが、終わりのない「けものみち」を
突き進む話」
と評したことがありました。それはおそらく、
「ただ希望に向かってひた走る」と思われるラストに感じた
点だった様な気がしたからかと)

後、ドップラー総統の「ご趣味」が実はいわゆる
「ジャイアンリサイタル」であったことwwwとかが
分かったのは、収穫だったかと。(おい)しかも、

流れてくる曲は、大地を揺るがす天変地異のごとくに
扱われているというw。まさに音撃。

まあ、そんなこんなの「温故知新」ではありました。

改めて、もう一度読み直すことができてよかった、と
思える作品でした。

大人になるのは、そんなに悪いことばかりではないらしい。

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